機械弁患者が発熱、倦怠感で受診した。
血液検査上、炎症反応を認める。身体所見では膿疹、
血液培養はMRSA陽性である。
経胸壁心エコーでは大きな異常を認めない。
次の診断ステップは何か?
全身CT
PET/CT
経食道心エコー
皮膚生検
赤血球沈降速度
解答)
感染性心内膜炎の検査前確率が非常に高い状況では、
感度および特異度の高い検査に進むべきである。
よって、経食道心エコーの適応である。
AHAガイドライン2015では感染性心内膜炎を疑った場合、
まずは経胸壁心エコーを施行する。
診断が確定しない場合は、経食道心エコーに進む。
全身のCTやPETは、発熱源が見当たらない場合に検討する。
MRSA菌血症がある状況では、感染源のみならず
深部感染巣の同定にも有用である。
ただし、この状況では感染源を同定して診断を確定する
ことが、臨床経過全体で見ても優先されるだろう。
赤血球沈降速度、CRP、プロカルシトニン、白血球数などの
炎症マーカーは感度は高いが特異度が低いため診断の補助に
なっても、診断確定にはつながらない。