10年以上前に冠動脈バイパス手術、1年前に
大動脈弁置換術の既往のある男性が、
全身性浮腫を主訴に来院した。
頸静脈怒張、腹水貯留、両下肢浮腫を認める。
胸部レントゲンは心拡大や肺血管陰影の増強を認めない。
診断は何か?
左室収縮能の低下した心不全
置換弁機能不全
拘束型心膜炎
ネフローゼ症候群
肝硬変
解答)
心臓手術歴のある患者に起こった、
はっきりとした左心不全症状のない
右心不全−全身性浮腫と頸静脈怒張は、
拘束型心膜炎を示唆する。
置換後大動脈弁の機能不全の場合、
一般的には左心不全をともなう。
肝硬変やネフローゼ症候群は全身性浮腫
を来たすものの、頸静脈怒張は見られない。