カテーテルアブレーション後の患者が
急激な血圧低下、中心静脈圧の上昇をきたした。
意識状態はもうろうとしており、頻脈を認める。
心電図では電気的交互脈を認めた(electrical alternans)。
鑑別に最も有用な検査はどれか?
レントゲン
血液ガス
心エコー
乳酸値
CTA(肺動脈相)
心筋酵素測定
血算
解答)
ショックは重要臓器に血液が行き渡らない状態である。
ショックは以下の4つに分類される。
- Hypovolemic (低容量性)
- Cardiogenic (心原性)
- Distributive (血液分布異常性)
- Obstructive (閉塞性)
教科書的な簡単な見分け方としては、
中心静脈圧上昇 = 心原性または閉塞性
末梢血管抵抗低下 = 血液分布異常性
である。
シナリオでは、ショックと中心静脈圧上昇
を認めるので、心原性か閉塞性の鑑別を
行うことになる。
心電図でelectrical alternansを認めるため、
状況としては心タンポナーデの可能性が高い。
閉塞性ショックなら緊張気胸や広範型肺血栓塞栓症
の鑑別にレントゲンやCTAも候補に挙がる。
出血性ショックなら血算もいいだろう。
ただし、出血性ショックなら中心静脈圧は低下する。
カテーテルアブレーション後という状況を
考えると、気胸や肺塞栓を疑うよりも、まずは
心エコーで心原性と閉塞性の鑑別を行う、
というのがごく自然な流れだろう。