胸骨左縁の収縮期駆出性雑音がValsalva手技で増強するのはどの疾患か?
閉塞性肥大型心筋症
大動脈弁狭窄
肺動脈弁狭窄
心房中隔欠損
心室中隔欠損
解答)
心雑音とそれを増強させる手技は頻出。
ものすごく簡略化してまとめると、
収縮期雑音: AS, PS, MR, TR, HCM, ASD, VSD
収縮期駆出性雑音: AS, PS, HCM, ASD
収縮期逆流性雑音: MR, TR, VSD
拡張期雑音: AR, PR, MS, TS
覚え方は簡単で、例えば収縮期雑音を
覚えれば、その反対のメカニズム
(例・狭窄症の反対は逆流症)は反対の雑音
(収縮期の反対は拡張期)になります。
駆出性か汎収縮期なのかは狭窄なのか逆流なのか
で決まります。
さて、心雑音を増強させる手技としては:
Valsalva手技・息こらえ=胸腔内上昇=静脈還流減少=前負荷減少
立位=下肢静脈血貯留=静脈還流減少=前負荷減少
Hand grip=末梢血管抵抗上昇=後負荷上昇
スクワット=末梢血管抵抗上昇=後負荷上昇
などがあります。
前負荷が減少すると、一般的な狭窄音は減弱しますが、
後負荷が上昇すると、狭窄音は増強します。